父親の涙、中学生のときに一度見たことがある。
片手を上げ下げすることでしか意思表示ができなくなっていたお爺ちゃん。関西と九州、遠く離れたところだったから、俺が冬休みのときにお見舞い。最後、家に戻ろうというとき、後部座席にいる俺がルームミラー越しに見た父親の目に涙が見えた。
父親はお金をティッシュにくるんで俺に渡して、これを祖母ちゃんに渡してくれと言った。
車を出て、病室の祖母ちゃんに、父親からこれを渡せと言われて持ってきたと伝えた。涙を浮かべる祖母ちゃん。俺はどうやって車に戻ったのだろうか覚えていない。
まさか2回目があるとは。
母さん手術入院。これまでも何度か有ったけど。今回は、母さんがこの先、家に戻ってこれるだろうかわからない。高齢だし、施設にということも考えなければならない、という状況に、姉が涙ぐむ。そんな姉をなだめるように諭す父も涙を浮かべていた。
母さんの涙も。
子供の時、勉強をしていた俺の前で、家計簿を付けていた両親。詳しくは覚えていないが、途中から口論となり、初めて見た母親の涙。
2回目は、今回の入院の見舞い、ipadの画面越しだった。
2年ぶりだったこと、姉が大変な思いをしていること、親父が脳梗塞で倒れて以前のように母さんの介助ができないこと、いろいろな思いが交錯して、涙ぐんでた。母はそう思わせないようにごまかしてたけど、わかったよ。
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